10/17 木曜日 5日目 ブダペスト
昨夜のひどい頭痛のせいで気を失うように寝たので、今朝は4時に目を覚ましました。連日歩きすぎて足の筋肉痛がひどく、だるくて動きたくないのですが、1日を無駄にするわけにもいかず気力だけでブダペスト行きの計画を立てます。ブダペストは列車はたくさんあり、片道2時間半くらいで行けます。運賃は片道でOBBだと50ユーロ以上するのですが、REGIOJETという会社だとネットで10ユーロという破格の安さで買えます。ただし、1日3本しかないのと、到着はBudapestーdeli puという、西側の駅になります。しかし、地下鉄は通っているみたいです。(結果的にはとても便利な場所にあり、全く問題ありませんでした。)ブダペストの東側は治安が悪いようですが旅行者がいくところは安全そうですし、圧倒的安さに惹かれてこの電車にしました。行きは7:34ウイーン中央駅発、10:14ブダペスト着で、帰りは18:45 ブダペスト発、21:27ウイーン中央駅着です。ブダペストの夜景を見ることはできなそうですが、弾丸旅行ですし、仕方ありません。しかし、クレジットカードのセキュリティーの問題で、WEB予約ができませんでした。駅で買うことにして早めに出発することにしました。準備をしていると6時になり、早めにホテルを出ました。早朝出発がデフォルトになっています。
まずOBBのチケットオフィスに行くと、REGIOJETは違う会社なので隣の窓口へ行けと言われました。REGIOJETの窓口は7時から開くので、それまでサンドイッチを買って駅前の広場のベンチで食べながら待ちます。またしても貧乏旅行者風です。7時になりオフィスに行って、予約しようとした列車のサイトを見せると、あっさり買えました。値段は片道14.2ユーロと、websiteよりは高いですが、それでもまだ格安です。しかも座席指定済みなので、昨日のような心配はありません。すぐに乗り場もわかり、プラットホームで待つと、時間通りに電車は来ました。
空いていて、席も綺麗で、目の前には何に使うのかわかりませんでしたがモニターもあります。途中でタダで水も配ってくれます。サービスすごく良いです。通路向かいには綺麗なお姉さんが座っていました。最高な電車でした。しかも時速160kmとか出ています。格安です。
あっという間にBudapestーdeli駅に着きました。終点なので安心です。ホームに降りると、なんかウイーンより雰囲気が暗い。ハンガリーの中心地ではないのでこんなものかとも思いましたが、information centerはないし、駅の窓口も工事中なのか、入る気すらしません。地下鉄駅に向かうのもちょっと怖い感じでした。しかし、地下鉄駅には予習通りのチケット販売機があり、24時間券をカードで簡単に買えました。
これで安心です。まずは地下鉄で国会議事堂の川向かいにある駅に行くことにしました。改札口はないですが、入り口で駅員さんに切符をチェックされました。あと、ブダペストの地下鉄のエスカレーターは勾配がすごく急で、しかも長いです。高所恐怖症なので、手すりをつかんでいないと怖いのですが、手すりとエスカレーターのスピードが合っていないことが普通にあります。日本と同じで右側は立って、左側は追い越し用に空けておくのですが、ぶつからないか怖いです。高齢者とかバランス崩して転げ落ちたりしないのでしょうか。
ブダペストは見どころがコンパクトに固まっているので、地下鉄の駅ごとに降りていく感じでした。まずは2つ目の駅のBatthyany terでおりて国会議事堂を川向かいから眺めます。ドナウ川に面して存在感のある建物がそれですが、遠目でも綺麗です。
鎖橋も見えます。尖塔を有する教会も幾つかあり、街全体が絶景です。もうここだけでも、わざわざ来た甲斐があったと思いました。再度地下鉄に乗り、1つ隣の駅のKossuth Lajos terでまた降ります。今度は川を越えて国会議事堂の目の前に出ます。大きさだけでなく、バランスや色彩、彫刻など全てが素晴らしいです。確かに一見の価値ありです。
思わず世界遺産に登録されているのか調べてみましたが、登録はされていないようです。こんな建物で今も国会やっているってすごいことだなと思います。途中、1958年のハンガリー紛争で銃撃の穴が開いた鉄板がありました。
建物に銃痕は見当たりませんでしたが、そんな歴史を経ているのだなと思いました。さて、内部に入るにはツアー参加しないといけないのですが、あまりの人気で予約がすぐにいっぱいになってしまうため、なかなか予約が取れないそうです。私も調べてみましたが、websiteでは取れませんでした。しかし、オフシーズンだし平日だから多分大丈夫だろうと思っていましたが、現地の観光客の多さをみて、無理なことを悟りました。実際現地に行ってもその日の予約は全部埋まっていました。中には価値のつけられないようなお宝が展示されている上に、現役の国会議事堂なので、セキュリティーの面でも仕方ないのかもしれません。いつか中に行ってみたいと思います。もっとも、外観を眺めているだけでも十分でした。
続いて、地下鉄でさらに隣の駅に行き、ブダペスト中心の聖イシュトヴァーン教会に行きました。
教会に行く前に、念の為10ユーロだけハンガリー通貨に両替してみました。教会はもうお腹いっぱいな上に、チケット代が6000Forintと両替した分では足りないくらいやや高いのですごく迷いましたが、塔に登っていないことに気づき、内部観察と塔を登ることができる両方のチケットを購入することにしました。WEBでチケット買うことを推奨しているようでしたが、住所やら何やら入力するのが面倒くさいので、多くの人がチケット売り場で購入していました。チケット売り場で買ってもバーコード付きの領収書が渡されるだけでした。中はもう、すごいとしか言えないのですが、どの教会もすごいですし、今回はメルク修道院に行っているので、まあすごいですねと。しかし、ここでは何かわかりませんが宗教的な集会をやっていました。また、左手のミイラが祀られていました。
その後、いよいよ塔に登りました。ブダペストの街並みが一望できるパノラマビューらしいのですが、極度の高所恐怖症の私には、恐怖でしかありません。案の定、エレベーターの中からもう具合悪くなってきました。展望台は高い壁に囲まれてはいますが、足がすくんでしまうので、内側をそそくさと1周して恐々写真を撮って、すぐに降りました。やっぱりダメでした。
ついでに宝物館も見てきましたが、とても小さいものですぐに終わりました。この辺りから、昨日に引き続き偏頭痛の予兆が出てきました。イミグラン飲んでもまた翌日に発作が出たことはなかったので、油断していましたが、徐々にひどくなって、ブダペスト滞在中は頭痛に悩まされることになりました。お昼になりましたが、頭痛のせいもあり食欲が全くありません。振り返ればここでハンガリー料理のスープを食べておけば完璧でした。
連日の疲労がキツくなってきましたが、そのままブダ地区に行くことにしました。歩いても近い距離ですが、頭痛と筋肉痛で足をひきづるように歩いていきました。有名な鎖橋を歩いて渡ります。どこを見ても絶景です。
橋を渡り終えるとすぐに、ブダ城に向かうロープウェイ乗り場です。しっかり休憩してから乗り場に向かいました。しかしここでクレジットカードが使えないハプニングが起こりました。今回の旅行ではこの時だけでしたが、たまにあります。2枚目のサブカードで支払いできましたが、私のせいで渋滞ができてしまいました。ロープウェイは普通です。というか、ここまでもうずっと絶景が続くので、もう別にロープウェイ如きでは感動しません。結果的にはバスの方が地下鉄のフリー券で乗れるのでタダな上に便利だったわけですが、一回はロープウェイに乗りたくなるのが旅行者です。ロープウェイから降りるとそこはもうブダ城なわけですが、さらなる絶景がありました。常に絶景ポイントの最高値が更新されていく感覚です。塀沿いを歩くと眼下にドナウ川と国会議事堂や鎖橋を中心にペスト地区の街並みが広がり、本当に綺麗です。特に国会議事堂と鎖橋が一画面に収まるところは最高のシャッターポイントでした。
ブダ城の中は美術館になっていますが、まともに回るには1日では足りないそうです。とても回る気にはならず、外観だけ見てまわりました。
外観も普通にすごいのですが、もう絶景に麻痺しているので、どんどん流していきます。それでもブダ城だけで結構歩きました。ここからマーチャーシュ教会と漁夫の砦までまた歩かなくてはなりません。疲労がピークを超えていて、頭痛もひどくて倒れるのではないかと心配になるほどでした。教会はもう十分素晴らしいのですが、例によってもうお腹いっぱいなので中には入りません。
漁夫の砦のチケットは、予習では教会とセットになっているとのことでしたが、別々でした。両替したハンガリー通貨を使うチャンスでしたが、カード決済のみでした。一応行ってみましたが、ここは行かなくてよかったです。というのも、有料なのは8つの塔のうちの2つほどで、他のところは無料で行けます。確かに絶景が見られますが、別にここから出なくても他にいくらでも絶景ポイントがあります。
もう疲労困憊すぎてぼーっとしてきたので、ロープウェイで下に降りることにしました。再度ロープウェイ乗り場まで歩いて戻るのが本当にしんどくて、バスにしておくべきだったと後悔しました。振り返ればバスはタダで乗れるので、帰り分のロープウェイチケットが無駄にはなるものの、バスで帰るのが正解でした。
ロープウェイから降りて、ベンチで休んでいるといよいよ頭痛が激しくなってきて嘔気まで出てきました。ここで気づいたのですが、とにかく周りに喫煙者が多いのです。偏頭痛はタバコの煙で増悪しますが、ベンチに座ると必ず近くにタバコを吸う人がいるので副流煙を吸う羽目になります。頭痛がひどくてベンチで休むとタバコで頭痛が増悪するという悪循環にはまっていました。そのため、休みたいのに休めずにタバコから逃げるように歩き続ける羽目になりました。特に女性の喫煙率の高さが異常です。白人の中年女性はほぼみんなタバコを吸っているのではないかと思うほどです。特にひどいのが地下鉄の出口で、出口につくやいなや一服するのでものすごく臭いです。道にはタバコのポイ捨てだらけです。喘息の小さいお子さんのいる家族はどうしているのでしょうか。
とにかくタバコから逃げ続け、結局最終目的地の夜景ポイントである、国会議事堂の川向かいまで戻ってきました。まだ帰りの電車まで3時間、日没まで2時間もあります。生きることに絶望すら感じ始めていましたが、ここで幸い煙の頻度が少ないベンチを見つけ、30分以上目を休めていると、徐々に頭痛が改善してきました。それとともにやる気も改善してきました。本当は食事に行きたかったのですが、喫煙者の隣のテーブルだった時に死んでしまうと思い食事にも行けずにいたのでした。駅前のスーパーに入ると2階があり、そこには簡単な喫茶店がありました。ここは喫煙禁止らしく、空気も綺麗です。パンとコーヒーを頼み、さらに30分以上休むとだいぶ回復して動けるようになりました。17:55まで休み、1階のスーパーで水を買って18:15頃外に出ると、あたりはだいぶ暗くなっていて、国会議事堂や鎖橋がライトアップされていました。期待していなかったのですが、念願のブダペストの夜景が見られたのです。絶景に麻痺していましたが、また別に夜景は綺麗です。
あきらめかけていた目標達成にさすがに興奮しました。deli駅には15分余裕を持って着いたので、両替したのに使う場面がなかったハンガリー通貨御売店で消費しました。しかし、売店のパンだと安くて消費しきれず、半分余らせてしまいました。調子が戻ったので列車内では日記を書いて過ごし、無事にウイーンへ帰ることができました。ブダペスト日帰りは若干強行かなと思いましたが、ものすごく楽しめました。頭痛がなければさらに良いものになったと思います。
ウイーン駅は複雑なのですが、最終日に初めてホテルまで最短ルートで帰ることができました。今までは思い通りの地下鉄出口に出ることができなかったのですが、最後の最後でやっと慣れてきたと思いました。
コメント